uturundesの日記

うつな私の日々のつまらない日記です。しょっちゅう死にたい、消えたいとか考えています。家族がいるのに、恋人がいるのに、パートナーがいるのに、子どもがいるのに何でこんなこと考えちゃうんだろうって思う人いると思います。私も同じです。こんな人もいるんだと自分だけじゃないと知ってください。

ある日突然犯罪者に。迷い続けたグレー期間。

ある日突然犯罪者扱いされる。
そんな経験をする人、世の中にどれくらいいるでしょうか?

そんな希少な経験をしたのは24歳の時。

新入社員で入った会社で経理を担当。
大きなお金が動く部署だったため、金庫には何百万というお金が入っていることもしばしば。

そんな大金をカバンに詰め込み、銀行に入金しにいく毎日。
最初は襲われたらどうしようと緊張していたけど、慣れればへっちゃら。

でも私を襲ったのは強盗ではなく、ある1本の電話だった。


ある日、本社から私宛に電話が入った。


「○月○日の売上金が入金されていないんですけどど…。」


その日は確か15時までに銀行に行くことができなくて、銀行の夜間金庫に投入する専用のカバンに現金を詰め込み、上司に帰宅帰りに行ってもらうようお願いした日だ。

事務所の留守番や、来客対応などで銀行に行けない日は、こういった対応でこれまでにもしばしばあった。

とりあえず上司に報告。

その日、夜間金庫に行ってくれましたよね?
確かに夜間金庫に投入したという上司。

でも1週間前のことだから記憶が曖昧。

しかしながら入金された履歴はなく、事務所の金庫にはお金もカバンもない。

なくなったのは約200万。

あっという間に大事になり、警察、本部監査室が事務所にやってきた。

警察は外部が侵入した形跡はないので、内部犯でしょうと結論。
そしてそれから取り調べの毎日が始まった。

毎日出勤はするものの、仕事はさせてもらえず、応接室で監査室長の取り調べ。

といっても私と上司が代わる代わる呼ばれ、
「今正直に白状すれば許してやる」
「お前以外に考えられない」
「○○(上司)がやったと思うか」
「お金は何に使ったんだ」

時には優しく、時には恫喝、まるで刑事にでもなったかのように同じ事を何度も何度も聞いてくる。

俺はお前が99%犯人だと思ってる。
他のみんなもお前が犯人だと思うと言ってるぞ。とか容赦ない言葉を毎日のように浴びせられる。

警察にいってウソ発見器にもかけられた。
(正直あれはすごい眠い)

同じように取り調べを受ける上司と二人、絶対やってないんだから頑張ろうな。
なんて励まし合い、結局誰も白状することはなかった。


そして会社がまさかの提案を持ちかける。

紛失した200万のうち100万は会社がもつから、残り100万を上司と折半して50万ずつ補てんしろという。

は?

犯人でもないのに、入社してまもない若造に50万のペナルティって。

意味わからん。

私は最後まで闘う気持ちでいたが、上司は50代で再就職も厳しいからそろそろ終わらせたいと提案を受けると言ってきた。

精神的にも参っていたので、気持ちはわからないでもないが、どうしても納得いかない。

私は嫌だといい続けていると、さらに上の部長まで出てきて半分自分がもつからもう終わりにしてくれと頭を下げられる。

絶対屈しないと強く思っていたけど、悩み、迷い続け結局私は負けてしまった。

25万のペナルティを受けることを了承すると、私と上司は別々の部署に即異動となった。


新しい部署に行くとそこは針のむしろ。

みんなよそよそしく、近づいてこない。
たまに、「大変だったわね。私はあなたがやったんじゃないって信じてるわよ。」
なんて言ってくる年配のおばちゃん。

でも休憩室ではそのおばちゃんが先導して、誰が犯人だと思う?談義で盛り上がり、意外と私が怪しいとか好き勝手言ってるのを聞いた。

新しい部署では私にお金を扱わすなと指示がでていた。
私はずっとグレーのままだった。

誰も信じられない。
誰とも話したくない。

事件をきっかけに恋人とも別れた。
会社に居続けることを理解してもらえず、家族とも疎遠になった。

そして私は完全に笑顔を失った。

事件後からずっとこんな会社すぐに辞めたいと思っていた。
でも辞めたらやっぱりあいつが犯人だったんだと言われるに違いない。

迷って迷って、ただ悔しくて、居続けることが自分は犯人ではないという証だとそう思った。


そんなグレー期間が1年経った頃、その日は突然訪れた。


「1年前の犯人捕まったって!」



犯人は…。

上司だった。


新しい部署でもまた横領を働き、それが発覚して全て白状したらしい。

あの励まし合った時間は何だったのか?

安堵とショックと怒りと悲しみ様々な感情が込み上げる。

監査室長から電話が入り、
「その節は悪かったね。お金は返すから。」

は?
それだけ?

手のひら返しで接してくる会社の人たち。

いやいや、絶対私が犯人って言ってたやん。

もう全て終わった。

そして私はその日に会社を辞める決断をした。

疑いが晴れたんだから辞める必要ないとか、元の部署でも行きたい部署でもあれば聞くよとか、もううんざりだった。


身も心もボロボロになったグレー期間。
あれ以来、いまだに上手く笑えないし、他人は信用できない。

どうするのが良かったのか、正解はわからないけど
事件後すぐに辞めなかったことも、解決後にすぐに辞めたことも、自分一人で決めたこと。

どれだけ悩んで迷っても、自分の決断だけを信じて進むしかない。

事件は私を弱くもしたけど、強くもしてくれた。

ありがとう。




#「迷い」と「決断」

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